カーポートは建ぺい率に入るのか|建築面積の算定と「高い開放性」の1メートル緩和
カーポートを増やしたら建ぺい率を超える、という問題は外構の検討で頻繁に生じます。ここでは上限を定める条文と、面積の数え方を定める条文を分けて確認します。数え方を定める条文に、よく話題になる「1メートルの緩和」が書かれています。
最終更新日:2026-09-30
本ページの見方
- 引用している条文は、e-Gov法令検索で公開されている現行の条文をそのまま転記したものです。読みやすさを考慮して省略した箇所は「(中略)」と表記しています。
- 条文に定められている事項と、個別の敷地・計画についての判断は異なります。当サイトは個別の案件について適法・違法の判定を行っていません。
- 自治体や道路管理者ごとに異なる手続きの様式・手数料・処理期間は、本ページには記載していません(条文に定められている数値のみを扱っています)。
根拠となる条文
建築物(中略)の外壁又はこれに代わる柱の中心線(軒、ひさし、はね出し縁その他これらに類するもの(以下この号において「軒等」という。)で当該中心線から水平距離一メートル以上突き出たもの(中略)がある場合においては、その端から水平距離一メートル後退した線(中略))で囲まれた部分の水平投影面積による。ただし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物又はその部分については、当該建築物又はその部分の端から水平距離一メートル以内の部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しない。出典:e-Gov法令検索(建築基準法施行令)
建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、その建築面積の合計)の敷地面積に対する割合(以下「建蔽率」という。)は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値を超えてはならない。出典:e-Gov法令検索(建築基準法)
用途地域別の建ぺい率の上限(建築基準法第53条第1項)
出典:建築基準法 第53条第1項各号(e-Gov法令検索)。各号は複数の数値を示したうえで「当該地域に関する都市計画において定められたもの」としています。したがって自分の敷地の数値は、都市計画で何が定められているかによります。市区町村の都市計画の窓口で確認してください。
| 号 | 用途地域 | 条文が示す数値 |
|---|---|---|
| 一号 | 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、田園住居地域、工業専用地域 | 10分の3、10分の4、10分の5または10分の6のうち都市計画で定められたもの |
| 二号 | 第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、準工業地域 | 10分の5、10分の6または10分の8のうち都市計画で定められたもの |
| 三号 | 近隣商業地域 | 10分の6または10分の8のうち都市計画で定められたもの |
| 四号 | 商業地域 | 10分の8 |
| 五号 | 工業地域 | 10分の5または10分の6のうち都市計画で定められたもの |
| 六号 | 用途地域の指定のない区域 | 10分の3、10分の4、10分の5、10分の6または10分の7のうち特定行政庁が定めるもの |
上限を決める条文と、面積を数える条文は別
第53条は「建築面積の敷地面積に対する割合」の上限を定めているだけで、建築面積をどう数えるかは書いていません。数え方は建築基準法施行令第2条第1項第2号にあります。カーポートやテラス屋根の扱いで議論になるのは、ほぼこの第2号の読み方です。
第2号のただし書きにある「1メートル以内は算入しない」
第2号の本文は、外壁または柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積を建築面積とし、中心線から1メートル以上突き出た軒等がある場合はその端から1メートル後退した線で囲まれた部分とする、と定めています。そのうえでただし書きが、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物またはその部分については、その端から水平距離1メートル以内の部分の水平投影面積を建築面積に算入しない、としています。カーポートについて「面積が減る」と言われるのはこの部分です。
条件は「高い開放性を有すると認めて指定する構造」であること
条文は緩和の対象を、国土交通大臣が指定する構造のものに限っています。屋根があれば自動的に適用されるという書き方ではありません。具体的な構造の要件は国土交通大臣の告示で定められており、製品の形状や設置の仕方によって該当・非該当が分かれます。
緩和されるのは「端から1メートル以内」の部分だけ
面積全体が対象外になるのではなく、端から1メートル以内の部分が算入されないという書き方です。奥行きのあるカーポートでは、残りの部分は建築面積に入ることになります。
屋根の下すべてが対象とは限らない
条文は「建築物又はその部分」としています。同じカーポートでも、壁や物置を組み合わせた部分は開放性の評価が変わり得ます。
角地や防火地域では上限そのものが変わることがある
第53条第3項は、防火地域内にある耐火建築物等、準防火地域内にある耐火建築物等・準耐火建築物等、そして「街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するもの」の内にある建築物について、第1項各号の数値に10分の1を加えると定めています。両方に当たる場合は10分の2を加えます。角地の指定があるかどうかは特定行政庁の指定によるため、敷地ごとに確認が必要です。
本ページで判定できない事項
個別のカーポートが緩和の対象になるかどうかは判定していません。メーカーのカタログに書かれた「建築面積」が緩和を適用した後の数値なのか適用前なのかも製品によって異なります。既存の住宅が現状で建ぺい率をどれだけ使っているかは、確認済証や検査済証、建築計画概要書で確認する必要があります。実際の可否は、特定行政庁または指定確認検査機関、およびメーカーに確認してください。
カーポートの設置前に確認すべき事項
- 1敷地の用途地域と、都市計画で定められた建ぺい率の数値を市区町村の窓口で確認する
- 2敷地が角地の指定を受けているか、防火地域・準防火地域に入っているかを確認する
- 3既存の建物が現状でどれだけの建築面積を使っているかを、建築計画概要書などで確認する
- 4検討している製品が「高い開放性を有する構造」として扱われるかをメーカーに確認する
- 5カタログの建築面積が緩和適用後の数値かどうかを確認する
- 6その数値を前提にして、特定行政庁または指定確認検査機関に事前相談する
関連する工事の解説
よくある質問
Qカーポートは建ぺい率に算入されますか。▼
Q自分の敷地の建ぺい率は何パーセントですか。▼
Q角地だと建ぺい率が緩和されると聞きました。▼
出典
条文は2026-09-30時点でe-Gov法令検索に掲載されていた内容を確認して転記しています。法令は改正されることがあるため、実際の手続きの前には最新の条文と、所管する窓口の案内をご確認ください。