訪問販売で契約した外構・庭工事はクーリング・オフできるか|特定商取引法9条(8日間・原状回復)
「近くで工事をしているので」と訪ねてきた業者に、塀の補修や庭の手入れ、外構工事を勧められて契約することがあります。営業所以外の場所で結んだこうした契約は、特定商取引法の「訪問販売」に当たる場合があり、一定期間内であれば無条件で申込みの撤回や契約の解除(クーリング・オフ)ができます。条文を引用して整理しています。
最終更新日:2026-10-12
本ページの見方
- 引用している条文は、e-Gov法令検索で公開されている現行の条文をそのまま転記したものです。読みやすさを考慮して省略した箇所は「(中略)」と表記しています。
- 条文に定められている事項と、個別の敷地・計画についての判断は異なります。当サイトは個別の案件について適法・違法の判定を行っていません。
- 自治体や道路管理者ごとに異なる手続きの様式・手数料・処理期間は、本ページには記載していません(条文に定められている数値のみを扱っています)。
根拠となる条文
(前略)(以下この条から第九条の三までにおいて「申込者等」という。)は、書面又は電磁的記録(中略)によりその売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又はその売買契約若しくは役務提供契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。ただし、申込者等が第五条第一項又は第二項の書面を受領した日(その日前に第四条第一項の書面を受領した場合にあつては、その書面を受領した日)から起算して八日を経過した場合(後略)においては、この限りでない。出典:e-Gov法令検索(特定商取引に関する法律)
2 申込みの撤回等は、当該申込みの撤回等に係る書面又は電磁的記録による通知を発した時に、その効力を生ずる。3 申込みの撤回等があつた場合においては、販売業者又は役務提供事業者は、その申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。(中略)5 販売業者又は役務提供事業者は、商品若しくは特定権利の売買契約又は役務提供契約につき申込みの撤回等があつた場合には、既に当該売買契約に基づき引き渡された商品が使用され若しくは当該権利が行使され又は当該役務提供契約に基づき役務が提供されたときにおいても、申込者等に対し、当該商品の使用により得られた利益若しくは当該権利の行使により得られた利益に相当する金銭又は当該役務提供契約に係る役務の対価その他の金銭の支払を請求することができない。出典:e-Gov法令検索(特定商取引に関する法律)
6 役務提供事業者は、役務提供契約につき申込みの撤回等があつた場合において、当該役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。7 役務提供契約又は特定権利の売買契約の申込者等は、その役務提供契約又は売買契約につき申込みの撤回等を行つた場合において、当該役務提供契約又は当該特定権利に係る役務の提供に伴い申込者等の土地又は建物その他の工作物の現状が変更されたときは、当該役務提供事業者又は当該特定権利の販売業者に対し、その原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求することができる。8 前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。出典:e-Gov法令検索(特定商取引に関する法律)
第四条から第十条までの規定は、次の訪問販売については、適用しない。一 その住居において売買契約若しくは役務提供契約の申込みをし又は売買契約若しくは役務提供契約を締結することを請求した者に対して行う訪問販売出典:e-Gov法令検索(特定商取引に関する法律)
特定商取引法第9条が定めるクーリング・オフの効果
出典:特定商取引に関する法律 第9条・第26条第6項(e-Gov法令検索)。「内容」欄は条文の文言を要約したものです。適用除外はこの表に挙げたもの以外にもあります。
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 9条1項 | 書面又は電磁的記録で、申込みの撤回又は契約の解除ができる。期間は第5条(又は第4条)の書面を受領した日から起算して8日 |
| 9条2項 | 効力は、書面又は電磁的記録による通知を発した時に生じる |
| 9条3項 | 事業者は、損害賠償や違約金を請求できない |
| 9条5項 | すでに役務(工事など)が提供されていても、事業者は対価その他の金銭を請求できない |
| 9条6項 | 事業者が受け取っている金銭は、速やかに返還しなければならない |
| 9条7項 | 役務の提供に伴い土地又は建物その他の工作物の現状が変更されたときは、原状回復に必要な措置を無償で講ずるよう請求できる |
| 9条8項 | これらに反する特約で申込者等に不利なものは無効 |
| 26条6項1号 | 自分の住居で契約の申込み・締結をすることを請求した者に対して行う訪問販売には、第4条〜第10条を適用しない |
期間は「書面を受け取った日」から数えて8日
第9条第1項ただし書きは、クーリング・オフができなくなる時点を、第5条第1項・第2項の書面(その前に第4条第1項の書面を受け取っていればその書面)を「受領した日から起算して八日を経過した場合」と定めています。期間の起点は契約日や工事の開始日ではなく、事業者から法定の書面を受け取った日です。また第2項により、効力は通知を「発した時」に生じるため、8日以内に書面やメールなどで通知を出せば、相手に届くのが9日目以降になっても期間内の通知として扱われます。
工事が終わっていても、代金は請求されず、原状回復を無償で求められる
外構や庭の工事で特に関係するのが第5項と第7項です。第5項は、すでに役務が提供された場合でも、事業者は役務の対価その他の金銭を請求できないと定めています。第7項は、工事によって「土地又は建物その他の工作物の現状が変更されたとき」に、原状回復に必要な措置を無償で講ずるよう請求できると定めています。たとえば塀の上塗りや庭の造成が済んだ後でも、条文上はクーリング・オフが可能で、元に戻す費用を負担しなくてよいという建て付けです。
対価の請求不可(5項)
工事済みの部分についても、事業者は代金を請求できない。
返金(6項)
すでに支払った金銭は速やかに返還される。
原状回復(7項)
土地・建物・工作物の現状が変更されたときは、無償での原状回復を請求できる。
自分から「家に来て契約したい」と呼んだ場合は対象外
第26条第6項第1号は、自分の住居で契約の申込みや締結をすることを「請求した者」に対して行う訪問販売には、第4条から第10条までの規定を適用しないとしています。つまり、自分から業者を呼んで自宅で契約したケースは、クーリング・オフの対象外になり得ます。ただし、どのような依頼がこの「請求」に当たるかは個別の事情によるため、見積もりを頼んだだけで当然に対象外になるとは言い切れません。判断に迷うときは、消費者ホットライン(188)で最寄りの消費生活相談窓口に相談できます。
本ページで判定できない事項
個別の契約が訪問販売に当たるか、受け取った書面が法定の記載事項を満たしているか、第26条のその他の適用除外に当たるかは、契約の経緯や書面の内容によって判断が変わるため、当サイトでは判定していません。また、店舗やショールームで自分から出向いて結んだ契約、インターネットで申し込んだ契約は、原則として訪問販売とは別の扱いになります。具体的な対応は、消費者ホットライン(188)にご相談ください。
訪問営業で外構・庭工事を勧められたときに確認すべき事項
- 1その場で契約せず、業者名・所在地・担当者名を控える
- 2契約した場合は、受け取った書面と、受け取った日付を記録しておく
- 3クーリング・オフをする場合は、書面(はがき等)か電磁的記録(メール等)で通知し、控えを残す
- 4通知を出した日が、書面受領日から数えて8日以内かを確認する
- 5すでに工事が始まっていても、条文上はクーリング・オフの対象になり得ることを知っておく
- 6判断に迷う場合は、消費者ホットライン188に相談する
関連する工事の解説
よくある質問
Q訪問販売で契約した外構工事は、何日以内ならクーリング・オフできますか。▼
Q工事が終わってからでもクーリング・オフできますか。▼
Q自分で業者を家に呼んだ場合もクーリング・オフできますか。▼
出典
条文は2026-10-12時点でe-Gov法令検索に掲載されていた内容を確認して転記しています。法令は改正されることがあるため、実際の手続きの前には最新の条文と、所管する窓口の案内をご確認ください。